85歳も数ヶ月を過ぎたいまは社会奉仕どころか消費一方で気がひける毎日だが、せめて健康寿命(介護保健不使用)であるのと、74歳直前まで50年間を現役で平均より10年ほど長く働いたことで許して戴きたいと思っている(勤労が善で消費は悪と言う幼時の価値観の影響か)。それなら80歳以前から始めてみようと思う人が居られれば参考の一助にでもなれば望外の喜びと、恥ずかしながら、私生活の一部を暴露することにした。

父母も含め多くの80歳超の人に接し、その気持ちを察したつもりだったが、自分の身になって初めてそれを実感している。幸運にもこれまでは、50歳頃からの腰痛、70歳を超えて働いた運動不足が原因の糖尿病・前立腺肥大など以外は自分の身体を意識することはなかった。しかし脊椎管狭窄症の手術で平常の腰痛は解消したものの連続歩行が500mほどしかできず、また益々姿勢が悪くなり、80歳からヨガ教室に週一回通い始めた。
ヨガでは末梢の足の指から始まり驚くほど多数(206個くらいあるようだ)の腰・上半身など全身各部の関節を捩る。それで初めて左足の指が下方に折れ曲がり(HAMMER TOEと言うらしい)爪の代わりに下部皮膚が硬いこと、背骨が正面から見て逆S地肩に曲がり左肩が下がっていることなどに初めて気付かされた。

教室での基礎を自分でやれるまでにひと月以上を要したが朝夕ひたすらいままでそれを実施し続けた。すると1年2か月ほど経ったら連続歩行が無制限にでき姿勢も良くなり家での朝夕20分弱のヨガが楽しみになって身体の柔軟度ももとに戻った。足の指も毎日ケアし続けたら4年経つ頃から上方に戻り爪も普通に生え揃ったのには我ながら驚いている。手の人差し指も第一関節が膨らんでいるのに気付きそのケアも始め、今はあまり目立たない程度に戻った。このブログの-65-と-58-でホメオスタシスのことを書いたが人間の身体はとても精巧にできている。
西洋医学は薬効による対症療法で即効性はあるが完治を保証するわけではない。東洋医学は自己治癒力増進なので遅効性で治癒力改善の効果が出るまでは年単位と長期間を要しその間完治を信じて辛抱強い持続が肝要なようだ。生来怠け者の私には日常生活に組み込むことで継続につなげた。朝は新聞やテレビを見ながら、夜は眠る前の着替え時、風呂の中では足の指のケア・深呼吸数回・腹ばいに入り背を伸ばす。散歩の途中(パソコン作業の後も)で眼球を上下・左右・斜め上・下に動かし焦点を遠近に数回あわせる(これで老視・近視の眼鏡不要になった)、朝食事前に日に一度臀部を踵まで10回は落とし立ち上がる、などなど。以前からの継続もあるが(歯のケアは昔からで、ほとんどが治療済みだが1本も欠けていない)医者による科学的文献説明によりこれらの効果を信じて単純愚直な継続が私の80歳以降の健康法になっている。天与の寿命には逆らえないだろうが個々の効果は上記のように自分でも信じがたいほどだ。早く気付いて継続していれば寿命も延び糖尿や腰痛にもならずに済んだかも知れないと思うこの頃だ。